肝臓の病気の症状と診断

肝臓に負担をかけない生活習慣(食事・運動・飲酒)について

脂肪の過剰摂取は避ける

従来、肝臓病の患者さんを対象とした医学書では、「食生活では、高エネルギー、高タンパクの食事を心掛けること」というアドバイスが掲載されていました。確かにたんぱく質は、肝臓の修復に必須となる栄養素ですが、日本人の現代の食事はすでに十分、高エネルギー、高タンパクとなっています。過剰な摂取は肥満や脂肪感の発症、悪化につながる可能性があるため、今日ではバランスの良い食生活が勧められるようになっています。

特に、脂肪肝の患者さんでは、医師から減量の指導を受けていることが多いと思いますが、高エネルギー、高タンパクの食事は完全な逆効果となってしまいます。食生活のポイントとしては、まず「朝食をしっかりとること」です。朝食を抜くとエネルギー不足で肝臓に大きな負担がかかります。朝食では、短時間でエネルギーとなるご飯やパンを中心として、野菜や果物でビタミン類もしっかりと摂りましょう。

サラリーマンの方は昼食に、脂肪の多い牛丼やラーメンなどを食べる機会が多いと思いますが、これらを食べるときでも単品はやめて、サラダなどのサイドメニューで野菜を補いましょう。ボリュームが多い場合は、残すことも大切です。甘い食べ物は脂肪肝の原因となりますので、間食は控えましょう。

夕食を遅くとると、肥満の原因となるため、脂肪肝のリスクが高まります。遅くても就寝する3時間前までには、夕食は済ませておきましょう。脂肪肝で減量中の人は、調理で油を減らす工夫(網焼き、下茹でなど)をしたり、高脂肪の肉類を避けるようにしましょう。

肝機能に障害があると、肝臓にビタミンを蓄えることができなため、3食の食事では野菜や果物でビタミン不足を補うことを心掛けます。

また、以前は「肝臓の病気がある人は横になって安静をこころがけるように」とされてきましたが、現在では急性肝炎などの重症例を除いては、この考え方は否定されています。現在では、慢性肝炎や肝硬変でも適度に運動することが勧められています。特に減量が必要な脂肪肝では、治療の中心は運動療法となります。

適度な運動で減量をして、筋肉をつけると、糖質やたんぱく質の代謝が促進されます。するとダメージを受けた肝臓の負担を軽減することにもなります。便秘になると体内にアンモニアなどの有害物質が増えるため、解毒作用を担っている肝臓の負担も大きくなってしまいます。そのため便秘解消にも運動が役にたちます。

慢性肝炎や肝硬変の患者さんは、GOT、GPT(AST、ALT)などの数値を参考に、医師の指示に従って無理のない範囲で運動を行いましょう。酸素を取り込みながら、ゆっくりと筋肉を動かす有酸素運動(ジョギング、ウォーキング、水泳)がお勧めです。

アルコール性肝障害の患者さん、飲酒で肝機能の低下が見られる人は、禁酒が必須です。ウイルス性肝炎の患者さんでも、GOT、GPTの数値が前回の検査よりも高かったり、200を超えている場合は、禁酒が必要となります。健康な人でお酒の適量は「日本酒で1合(ビール換算で中ビン1本)」です。衆に2日は、アルコールを摂取しない「休肝日」をつくりましょう。