肝臓の病気の症状と診断

薬の服用後の発疹、黄疸、皮膚のかゆみは薬物性肝障害かも

鎮痛剤は肝障害の原因薬剤になりやすい

薬の解毒・代謝機能を担っている肝臓は、その役割上、最も薬の影響を受けやすい臓器となっています。そのため薬そのもの、あるいはその代謝物の毒性による肝障害や、薬や薬の代謝物に対するアレルギーによる肝障害が起こることも少なくありません。これが「薬物性肝障害」と呼ばれる肝臓病です。

肝臓で薬を代謝することで毒性が生じる場合、その多くは、薬が細胞内のたんぱく質(シトクロムP450)によって代謝される時に、活性の高い「活性中間体」が生成されるためです。大量に産生された活性中間体は、細胞内のたんぱくや酵素と結合して酵素の働きを邪魔して、細胞死を起こさせます。また、活性中間体がたんぱく質と結合すると、抗原となってアレルギー反応を起こします。

中毒性肝障害
薬物や毒物そのものや代謝物が持つ毒性が直接作用して、肝細胞を破壊することで起こり、毒性を持った物質が体内に蓄積して発症します。中毒性肝障害を引き起こす薬剤は明らかになっていますので、対処することで予防が可能です。原因となりやすい薬剤には、解熱消炎鎮痛薬の「アセトアミノフェン」やホルモン薬などがあります。

アレルギー性肝障害
薬物性肝障害の大半を占めています。薬や、その代謝物が抗原となり、免疫作用がそれを排除しようとすることでアレルギー反応を引き起こすことで生じます。服用した薬の量や期間に関係なく発症する点が、中毒性肝障害と大きく異なる点です。原因となる薬剤には、解熱消炎鎮痛薬、ホルモン薬、抗生物質、循環器用薬などが挙げられますが、アレルギー反応を起こす薬剤は人によって異なります。

薬物性肝障害の症状には、食欲不振・吐き気、全身の倦怠感、黄疸、皮膚のかゆみ、発疹などが挙げられます。アレルギー性肝障害では、薬の服用後24〜48時間以降にこれらの症状が現れることが多くなっています。一方、中毒性肝障害の症状の現れ方は比較的早いものの、ゆっくりと症状が現れることもあります。

医師による診断で薬物性肝障害が疑われた場合、他の肝臓病がないことを確認したうえで、1か月程度までさかのぼって、服用した薬の名前、用量、服用期間を調べます。中毒性肝障害は原因となる薬が限られているので特定は難しくありませんが、アレルギー性肝障害はどんな薬でも発症の可能性があるうえ、症状が現れるまで時間が経過していることが多いので、原因となる薬剤を特定できないこともあります。さらに血液検査やアレルギー試験を行います。

血液検査ではGOT・GPT(AST・ALT)の数値から肝機能を調べます。胆汁の流れが阻害されて起こるタイプでは、GOTとGPTの上昇は緩やかで、急性ウイルス肝炎よりも低めの数値が出る傾向にあります。黄疸の程度を調べるため、痰同桂酵素のALP(アルカリホスファターゼ)や、血中ビリルビンの数値も検査します。

薬に対するアレルギー反応は、「リンパ球刺激試験」によって調べることができます。採血をして、その血液中のリンパ球に原因と推測される薬剤を加えて培養し、リンパ球に特有の反応があるかどうかをみることで、アレルギーの有無がわかります。